よくあるご質問
Q.「股関節唇損傷」について教えてください
股関節は、骨盤の受け皿(臼蓋)と太ももの骨で構成され、その縁にある「股関節唇」が関節の安定性や衝撃吸収の役割を担っています。
この部分がスポーツや繰り返しの負担、骨の形の影響、加齢などにより損傷すると、足の付け根の痛みや動かしたときの違和感、引っかかり感などの症状が現れます。
軽度の場合はリハビリなどで改善を目指しますが、症状が続く場合には手術(股関節鏡視下股関節唇形成術)が検討されます。
股関節鏡視下股関節唇形成術とは
小さな傷からカメラで関節内を確認し、傷んだ関節唇を修復する手術です
股関節鏡視下股関節唇形成術とは、股関節の中にある「関節唇」というゴムパッキンのような組織が損傷した際に、その形を整えて機能を回復させる手術です。 傷つき骨から剥がれかけた関節唇を縫い合わせることで、できる限り下の状態に戻し、股関節の安定性を保ちます。これを関節鏡下(関節の内視鏡)に行います。

入院・手術後の生活
股関節鏡手術は、入院期間が短く、比較的早い段階で歩行が可能ですが、適切で継続的なリハビリを行うことが回復には重要です。焦らず長期的に回復を目指すことが、良好な結果に繋がります。
調子がよいときでも、できるだけ、年に1回は通院することが大切です。
入院期間
- 関節唇縫合のみ:1週間以内に全荷重で退院
- Cam形成を加えた場合:1~2週間で全荷重退院
スポーツ復帰の目安
- ランニング:術後約3ヶ月で再開
- コンタクトスポーツ(サッカーなど):術後約半年
股関節鏡手術のリスク
関節鏡手術では一般に出血はごく少量であり、体にかかる負担は極めて少ないです。人工関節に比べて術後感染や血栓症など重篤な合併症リスクは低いです。しかしながら以下に挙げるような特有のリスクがあります。
1. 疼痛残存または再発
関節鏡手術では傷んだ関節唇の修復を行いますが軟骨の修復はできません。そのためすでに軟骨が一定程度損傷している場合などは疼痛が一部残ったり、術後に再発したりするリスクがあります。
2. 変形性股関節症進行リスク
上記の理由により軟骨がすでに損傷している場合、つまり変形性股関節症がすでに始まっている場合にはその進行が止められないリスクがあります。変形性関節症が進行した場合には人工関節手術への移行を考慮します。